北東地域奥地の鉄鉱石や原油、農産物をセアラー州やペルナンブーコ州の港湾から輸出するため2010年から建設開始のトランスノルデスティーナ鉄道には、ブラジル鉄道施術建設公社(VALEC)並びに実業家ベンジャミン・スタインバック氏のナショナル製鉄所(CSN)が資本参加している。
2010年から始まった総延長距離1,750キロメートルに達するトランスノルデスティーナ鉄道建設は、トランスノルデスティーナ・ロジスティック社(TLSA)が請け負っているにも関わらず、資金不足などの影響で未だに52%しか工事が進んでいない。
このトランスノルデスティーナ鉄道建設プロジェクトは、ピアウイ州エリゼウ・マルチンスとペルナンブーコ州スアペ港とセアラー州ペセン港を結ぶ鉄道建設で、プロジェクト総工費は112億レアルが見込まれているが、すでに60億レアルが投資されている。
今年1月にトランスノルデスティーナ鉄道建設プロジェクトは、不正会計の疑惑が発生していると連邦会計検査院(TCU)から工事中止命令を受けており、工事完成の目処が全く不明となっている。
ペルナンブーコ州並びにセアラー州、ピアウイ州政府代表並びにブラジル鉄道施術建設公社(VALEC)のマリオ・モドルフォ総裁代理は、工事再開のために会合を持ち、資金調達に困難をきたしているスタインバック氏に対して、資金調達のため中交交通建設(CCCC)社による資本参加の肩代わりを要請している。
中国最大の国際工事請負業者である中交交通建設(CCCC)は、港湾並びに埠頭、航路、自動車道路、橋梁、鉄道、トンネルなど交通インフラ建設を事業の柱としているが、ブラジルへのインフラ整備事業進出でゼネコン大手のカマルゴ・コレア社とパートナーによる事業拡大を模索している。
中交交通建設(CCCC)社はブラジルのゼネコン企業Concremat Engenharia社の80%の株式を3億5,000万レアルで取得、また中交交通建設(CCCC)社は、WTorre社傘下のマラニョン州サンルイス港湾での多角的ターミナル建設を手掛けている。
昨年第3四半期末の実業家ベンジャミン・スタインバック氏のナショナル製鉄所(CSN)の純負債総額は234億レアルに達しており、コア事業以外のポートフォーリオ資産売却を進めているにも関わらず、小さな資産売却に留まっている。(2017年2月16日付けエスタード紙)