米国に次いで富裕層の多い中国の昨年のエグゼクティブ向けプライベートジェット機数は、前年比45.3%増加の109機、今後、中国政府が同ジェット機購入や空港使用の規制緩和をすれば、中国のマーケットの拡大が期待できる。
中国のプライベートジェット機のレンタル会社は僅かに9社、すでに48社がレンタル会社のライセンスを申請しているにも関わらず、中国政府は、今後3年間で30社のみにライセンスを許可すると予想されている。
中国の同ジェット機を利用できる空港は僅かに180空港と米国の数千に達する空港と比較して非常に少なく、また、空港の使用許可がでるのは、申請後3日間を要していることもマーケット拡大に支障をきたしている。
ブラジルのエンブラエル社は、中国にプライベートジェット機22機を総額8億ドルで契約済み、そのうち5機が納入されており、業界関係者は、中国で今後10年間に約635機の同ジェット機が販売されると予想されている。
昨年4月のジウマ・ロウセフ大統領の訪中時に、エンブラエル社は、中国のハルピンでのプライベート機を中国航空工業集団(AVIC)との共同生産で合意したにも関わらず、未だに生産計画は進展していない。
昨日、エンブラエル社は、スーペルツカノ機を総額1億8,000万ドルでアフリカの3カ国と購入契約にサイン、西アフリカのブルキナファソ共和国に同軍用機をすでに3機納入、国境偵察に使用されている。
また、同社はアンゴラ共和国にスーペルツカノ機を年内に3機を納入予定、モーリタニア共和国は、同軍用機を治安強化目的での使用を予定している。
エンブラエル社の同軍用機は、ラテンアメリカ諸国並びにアフリカ諸国、東南アジア諸国の空軍と購入契約が締結されている。
今年2月にアフガンでの使用を念頭に置く軽攻撃機(LAS)として、同社のスーペルツカノ機を3億5,500万ドルで購入する契約を、米空軍がキャンセルした。
同社では、同軍用機は米空軍が要求した機能をすべて満たしており、キャ ンセルされた理由は見当たらないとコメントしたが、今年は米国の大統領選挙の年であり、また今回の米空軍による機種選定に負けたコンペティター米国資本のHawker Beechcraft Corporation社(HBC)の本社があるカンサス州の州議会の政治問題がこの契約キャンセルに絡んでいる可能性が指摘されていた。
エンブラエル社ではこの契約がキャンセルされたにも関わらず、その後、他の機種の軍用機で米空軍と契約を締結している。今年の同社の空軍関連の売上は9億ドルから9億5,000万ドル、総売上は58億ドルから62億ドルが見込まれている。(2012年3月29日付けエスタード紙)