ペルナンブッコ州スアペ港に本社を構えるアトランチコ・スール造船(EAS)の掘削リグの納入遅れなどの要因で、ペトロブラスの石油生産が消費に追い付いていないために、ジウマ・ロウセフ大統領は、開発ノウハウの提供で資本参加しているサムスン重工に経営権を与えて、開発を急がす計画に変更した。
ジウマ大統領からペトロブラス石油公社の総裁に任命されたマリア・ダス・グラッサス・フォスター女史は、EASの経営権について、主要株主のカマルゴ・コレア社並びにケイロース・ガルボン社と交渉中であった。
しかし、大株主であるカマルゴ・コレア社並びにケイロース・ガルボン社、また6%の資本参加で4位のPPJRM社などが、サムスン重工が経営権を握ることに反対していたために、サムスン重工はEAS社からの資本撤退を決定した。
サムスン重工のEAS社からの資本撤退で、業界関係者はカマルゴ・コレア社並びにケイロース・ガルボン社が日本の大手造船会社と30%の資本参加で交渉していると予想しており、日本の造船会社にとって、1994年に石川島播磨重工がブラジルから撤退して以来では、初めてのブラジル進出となる。
ペトロブラスが資本参加しているSete Brasil社は、2015年6月に納入が予定されている岩塩層下(プレソルト)原油開発向け掘削リグ7基の建造早期開始をEAS社に要求している。
一方現代重工は、実業家エイケ・バチスタ氏率いる造船会社OSX社に10%の資本参加をして造船のノウハウを提供するために、韓国から造船技師40人を呼寄せて技術指導をしている。(2012年3月19日付けヴァロール紙)