今年4月のジウマ・ロウセフ大統領の訪中時にエンブラエルは中国のハルピンでのエグゼクチブジェット機を中国航空工業集団(AVIC)と共同生産で合意したにも関わらず、計画が進展していない。
この合弁工場はエンブラエル側が51%を出資して2002年にハルピンに設立、50人乗りのERJ-145型ジェット機を生産していたにも関わらず、中国側は需要が減少しているために年内に最後のジェット機を納入予定、エンブラエルでは工場閉鎖を避けるために、120人乗りのE-190型のジェット機生産をオファーしていた。
ジウマ大統領は訪中時にハルピン工場閉鎖を避けるために、今後の需要が見込めるエグゼクチブジェット機であるLegacy600並びにLegacy650を生産するための工場改造計画を提示していた。
ハルピン工場のLegacy型ジェット機の生産能力は月間18機から20機があるにも関わらず、需要は6機から12機と供給が需要を上回るために、生産コストが非常に高い。
エンブラエルは現在までに中国にハルピン工場で生産したERJ-145を含めてE-190など137機を販売、エンブラエルの中国のリージョナルジェット機のマーケットシェアは80%を占めている。
エンブラエルは今後20年間に中国の航空会社に30人乗りから120人乗りのジェット機975機を販売予定、また中国は今後10年間に個人所有向けのエグゼクチブジェット機470機の販売で140億ドルを見込んでいるが、現在、中国国内には135機が存在している。
エンブラエルは今年8カ月間の中国へのジェット機販売総額は2億9,110万ドルとアルゼンチン2億9,450万ドルに抜かれて3位に転落、トップは米国の3億3,660万ドルであった。(2011年9月22日付けエスタード紙)