昨日、サンパウロ経由でカンピーナスとリオを結ぶ510キロメートルの高速鉄道入札が行われたにも関わらず、応札企業がなく不調に終わり、昨年11月並びに今年4月の2回に亘り入札が延期されていた経緯がある。
国家陸路庁(ANTT)のベルナルド・フィゲイレド長官は着工を急ぐために応札をしやすくする条件として、初めに技術提供並びに運営を手掛ける鉄道事業者を選定、その後に工事を請け負う建設会社を決める2段階方式の入札を予定している。
この高速鉄道プロジェクトは経済成長加速プログラム(PAC)の中では最も高額な330億レアルの予算となっているにも関わらず、入札参加コンソーシアムにとっては収益の見込みが低いために、連邦政府に対して条件変更を申し入れていた。
しかし高速鉄道の技術提供と事業運営に対する事業コストは90億レアルが見込まれており、日本、スペイン、フランス、ドイツ、韓国のコンソーシアムが参加する可能性があると予想されている。
また事業コストが240億レアルに達する鉄道建設工事を請け負うコンソーシアムは国内外の大手ゼネコンが参加すると予想、落札企業は区間ごとの建設工事を入札にかけてゼネコン企業に請け負わせて工期を短縮する。
高速鉄道の技術提供並びに事業運営の入札は2012年初めが予定されており、建設工事開始は2013年、フィゲイレド長官は2016年のオリンピック開催前の営業開始が難しいことを認めている。
高速鉄道の運営義務期間は40年、連邦政府は高速鉄道輸送会社(Etav)を通して40億レアルの資本参加、また社会経済開発銀行(BNDES)が220億レアルのクレジット総額を予定している。
この高速鉄道計画についてはブラジル側が40年間の運営義務や土地買収が難航した場合の遅延リスクを落札したコンソーシアムが負担するなど不利な条件が山積みしているために、入札に参加意向のコンソーシアムもブラジルが設定した旅客需要や建設コストの見積もりも甘いと指摘していた。(2011年7月12日付けエスタード紙)