リーマンブラザーズ破綻前の海運業界はバブル好景気に沸いていたが、破綻後は世界経済減速の影響を受けた世界貿易縮小に伴い、業界は厳しい状況におかれている。
今年初めの2ヶ月間のバルク船や付加価値の高い製品を運ぶコンテナ船の取扱量は前年同期比25%減少、鉄鉱石輸出は30%、紙・パルプは16%とそれぞれ落込んでいるが、石油化学関連輸入は50%、化学肥料は80%と大幅な落込みを記録している。
世界貿易の縮小に伴って貨物船の運賃が大幅に減少してきており、昨年9月のサントス港-カリブ航路の一般貨物の運賃はトン当たり55ドルであったが、今では19%減の45ドルまで減少している。
またブラジル-中国航路の鉄鉱石運賃は100ドルであったが、いまでは21.8%減少、ブラジル-アンゴラ航路のコンテナ貨物運賃も3,600ドルから2,900ドルに減少している。
今年のブラジルのコンテナ貨物の取扱は前年比25%減の362万個が予想されているが、1月は前年同月比22.7%減の22万8,000TEUsであった。
運賃の価格破壊に伴って海運業界は大幅に収益を圧迫されており、今後の世界需要の回復の見通しは立たないなかで、唯一石油価格が60%減少したためにコスト削減に結びついている。(2009年3月19日付けヴァロール紙)