2017年末の中国上海港とサントス港間航路の平均輸送レートは、コンテナ1個(1TEU)当たり2,697ドルまで高騰、2015年の世界不況真っただ中の6倍相当まで高騰して、世界最高の輸送レートを記録している。
2017年末の中国上海港とサントス港間航路の平均輸送レート2,697ドルは、上海港と米国東海岸を結ぶ航路の平均輸送レートである1238ドルの2倍以上に達している。
2015年10月はブラジルの経済リセッションで、貿易低迷による海運業界の市況低迷が深刻化していた中国上海港とサントス港間航路間の平均輸送レートは、他の航路を大幅に下回っていた。
またブラジルの港湾インフラ整備プロジェクトによるターミナル拡張工事や浚渫工事の遅れで、他の航路よりも大型コンテナ船の利用が低いために、輸送コスト高に結び付いている。
Solve Shipping社の調査では、2015年の数カ月間は、サントス港の受給バランスが崩れてコンテナ1個(1TEU)当たりは100ドルまで低下、海運会社の荷受け量は処理能力の37.5%まで低下していた。
2015年9月の1週間当たりの名目コンテナ取扱量能力は4万4,000Teusであったが、2017年12月は2万8,000 Teusまで低下して、平均輸送レートが世界最高の2,697ドルに達している。
現在の中国上海港とサントス港間航路間の平均輸送レート高騰の要因として、大型コンテナ船が横付けできないサントス港湾の浚渫工事遅れのインフラ整備問題並びに燃料コストの上昇をMaersk社の南米東海岸担当のジョアン・モレッソ氏は指摘している。
中国上海港とサントス港間航路間の大型コンテナ船は、サントス港湾の浚渫工事遅れで最大8,000 Teusまでに制限されている一方で、上海港と北部ヨーロッパ間では2万Teusのコンテナ船の利用が可能で、コストに大きな開きがあるとジョアン・モレッソ氏は指摘している。
今年1月30日のコンテナ船用燃料価格は、1トン当たり380ドルと1年前の280ドルから大幅に上昇、また2015年10月の中国上海港とサントス港間航路には18海運会社は運行していたにも関わらず、昨年12月には13海運会社まで減少している。(2018年3月13日付けヴァロール紙)