世界経済の縮小に伴って海上輸送業務が減少してきている海運業界は、国際コモディティ価格下落に伴う海上輸送費の価格競争激化や傭船の稼働率の低下などの要因で、各社とも収益が悪化して会社存続のためには業界再編成が進む可能性が高い。
また先週、世界7位のマーケットシェアを誇る韓国の最大手海運会社である韓進海運(ハンジン)は、倒産一歩手前の状態に陥ったため会社更生法申請を余儀なくされている。
世界の海運業界はデンマークに本拠を置くThe Maersk Group (A.P.モラー・マークス)が世界シェアの15.2%を占めてトップ、次いでスイスに本社を構えるMSC - Mediterranean Shipping Company(メディタレニアン・シッピング・カンパニー)が13.3%で肉薄、3位にはフランスが誇る世界大手海運会社CMA CGM(Compagnie maritime d'affrètement - compagnie générale maritime)が10.8%を占めている。
世界トップ3社のマーケットシェアは約40%を占めて、海上輸送運賃の価格を決定しているのが現状であり、会社更生法を申請している韓進海運(ハンジン)は、業界トップのMaerskもしくはドイツ資本Hamburg Sud社が買収する可能性があり、ますます寡占化が進むと予想されている。
昨年のブラジル港湾の海運輸送の35%に相当する160万TeusをMaersk並びにHamburg Sud社が担い、MSC社は92万1,800Teusのコンテナ輸送を行っている。(2016年9月6日付けヴァロール紙)