マーケットシェア36%でブラジルの航空業界を牽引するTAM航空は、ブラジルのマクロ経済悪化のシナリオに伴ってコスト削減のために、運航便の削減や事務職員を中心とした人材コストカットを余儀なくされている。
TAM航空は国内便の運航便の8.0%~10.0%の削減並びに従業員の2.0%に相当する事務職員560人の削減を今後数か月間以内に実施するにも関わらず、中長期的な事業拡大のためにパイロットや客室乗務員の削減は行わない。
9.0%を突破するインフレ指数、レアル通貨に対するドル高の為替による負債の拡大、雇用減少による一般消費者の景況感の悪化などの要因で、大幅なコスト削減を余儀なくされているとTAM航空のクラウジア・センデール社長は説明している。
TAM航空は国内便50路線の運航便の削減を予定している一方で、同社の事業拡大計画の航空機更新や北東部地域でのハブ空港構想は継続して検討しており、現在のTAM航空の1日当たりの平均国内外便数は800便となっている。
過去12か月間のドルの為替は44%上昇しており、同社負債の60%はドル建てのためドルの為替に伴って負債が増加、しかし航空運賃を値上げするとCクラスの搭乗客が大幅に減少するために、運航便の削減によるコストカットを余儀なくされている。(2015年7月21日付けエスタード紙)