世界的な景気後退による鉄鉱石や農産物の国際コモディティ価格の減少に伴って、ブラジル国内鉄道会社の輸送量並びに収益が悪化してきている打開策として、アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ(ALL)社は、コスト削減のためにポートフォーリオの拡大を検討している。
アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ社では、コンテナ輸送として主にトウモロコシ並びに大豆、砂糖、パルプ輸送から付加価値の高い工業製品の輸送で収益性増加を図っている。
アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ社では、世界経済が悪化する以前は鉄鉱石や農産物の時間短縮によるコスト削減を優先的に図っていたにも関わらず、アマゾナス州マナウスフリーゾーンから一大消費地のサンパウロへの工業製品輸送は、時間短縮によるコスト削減よりも盗難防止によるメーカーのコスト削減が輸送会社の収益増加につながっている。
アマゾナス州マナウスフリーゾーンの韓国資本LG社は、プラズマテレビの消費地への輸送はアマゾン川を経由する海上輸送であったが、輸送区間の大半を盗難防止に効果を発揮する鉄道輸送に切り替える交渉を鉄道会社と行っている。
今年初め5か月間のアメリカ・ラティーナ・ロジスティカ社傘下のBradoLogistica社の北部鉄道網のコンテナ輸送は前年同期比27.59%、南部鉄道網は56.47%、パウリスタ鉄道網は8.92%それぞれ増加している。
鉄道による平均輸送コストはトラック輸送に比べて15%安く、サンタ・カタリーナ州内の総延長距離が164キロメートルのテレーザ・クリスティーナ鉄道によるセラミック製品、米などの鉄道輸送量は154%増加している。(2015年7月6日付けエスタード紙)