エンブラエル社は米空軍の軽攻撃機(LAS)の再入札に対して、A-29 Super Tucano機で入札参加を予定、18万時間の豊富な飛行記録があるために、落札の可能性が非常に高いと予想されている。
コンペティターの米国資本Hawker Beechcraft Corporation社(HBC)のAT-6型軽攻撃機は、開発途中のプロットタイプ型の試作機であるために、Super Tucano機が圧倒的に有利となっている。
エンブラエルではA-29機は米空軍が要求した機能をすべて満たしており、キャ ンセルされた理由は見当たらなかったが、今年は米国の大統領選挙の年であり、また今回の機種選定に負けたコンペティターの米国資本HBC社が本社を置くカンサス州の州議会の政治問題が、この契約キャンセルに絡んでいる可能性が指摘されていた。
米空軍の購買責任者であるDavid Van Buren氏は、機種選定を決定した書類に不備があったと指摘、また空軍の装備関連部門のDonald Hoffmann取締役は、入札プロセスの捜査をしていたことなどを経て再入札に至っている。
昨年末にエンブラエルが落札していた契約内容は、Super Tucano20機を3億5,500万ドルで購入、更にオプション契約として35機を10億ドルでの購入並びにメンテナンス契約が含まれていた。
エンブラエルはSuper Tucano機をアフリカ諸国の3カ国から受注に成功、またラテンアメリカ諸国の空軍にはすでに6機が納入されており、7月にはインドネシアに同機の納入が予定されている。
Super Tucano機の受注総数は182機、ブラジル空軍向けの99機を含めた158機は既に納入済みであり、エンブラエルでは今後のSuper Tucano機の需要は、300機で35億ドルの売上を見込んでいる。
エンブラエルでは、2025年までのラテンアメリカ諸国の空軍のSuper Tucano機の需要を81機と見込んでおり、売上は10億ドルを上回ると予想している。(2012年5月9日付けエスタード紙)