イタウー銀行、ブラデスコ銀行並びにサンタンデール銀行の民間大手3銀行の2020年第3四半期の平均純益は、前四半期比37.0%の大幅増加を記録している。
今年第3四半期の民間大手3銀行は、COVID-19パンデミックの悪影響によるクレジット部門の不渡りに対する膨大な貸倒引当金の設定を余儀なくされたにも関わらず、3銀行の純益総額は、前四半期比37.0%増加に相当する139億6,200万レアルを記録している。
COVID-19パンデミックの影響の様子見のサンタンデール銀行の第3四半期の貸倒引当金は他行より少ない通常並みのレベルに抑えていたが、今後も第2四半期の32億レアルの貸倒引当金以下に抑えるとSergio Rial総裁は説明している。
今年第2四半期の3大民間銀行の不良貸付残高(PDD)総額は、COVID-19パンデミックによる影響で前四半期の202億1,900万レアルから231億9,400万レアルと30億レアル増加、前年同期比では124%増加を余儀なくされていた。
3大民間銀行は企業の需要に伴って、第3四半期からクレジット部門の拡大戦略を採っているが、銀行クレジットの90日迄の延滞率は僅かに上昇し始めているものの、経済回復に伴ってクレジットの支払い先送りから返済期日の支払い増加に転じるかは不透明となっている。
第3四半期の貸倒引当金は26億レアル以上であったが、不渡り率がピークに達するのは2021年と予想されており、各民間銀行は不渡り増加に対処する準備が必要とブラデスコ銀行のオクタヴィオ・デ・ラザリ・ジニオール総裁は警告、COVID-19パンデミックの影響でクレジット支払い先延ばしは730億レアルに達していた。
経済活動の回復に伴って第3四半期の純益増加に反映しているが、今後のクレジットの延滞率増加の可能性に備える必要性をブラジル最大の民間銀行であるイタウー銀行のカンディド・ブラッチャー総裁は指摘している。