リオ州並びにサンパウロ州以外に本店を置くリージョナルリテール業界の新規株式公開(IPO)が目白押しで、今年4月~8月の5か月間のリテール業のIPOは16件で273億レアルの資金調達をした。2005年~2019年のリテール業のIPOは、17件で資金調達総額188億レアルを既に上回っている。
小売業界ではLojas Americanas社が1940年に新規株式公開でサンパウロ証券取引所B3に上場、過去80年間のIPO件数33件の50%に相当するIPOは僅か5か月間で実施されている。
COVID-19パンデミック前の今年3月のB3取引所の小売チェーンの上場企業は24社であったが、有価証券取引委員会(CVM)に新規株式公開IPO承認を申請している企業を含めると40社に達すると予想されている。
リテール業界のIPO16オペレーションの内訳は、D1000社, Quero-Quero社, Grupo Soma社並びにPague Menos社は、すでに新規株式公開を実施している。またTok&Stok社, Pernambucanas社並びにKalunga社はIPOの最終段階、残り9社はすでに有価証券取引委員会(CVM)に申請済みで、年末までにB3取引所で新規株式公開を予定している。
COVID-19パンデミックで外出自粛や必需品以外の営業自粛要請にも関わらず、影響が最小限に留まったスーパーマーケット、薬局チェーン、ペットショップ、デジタルトランスフォーメーション関連の企業の新規株式公開が半数以上を占めている。
COVID-19パンデミック対応政策として連邦政府は緊急援助政策で生活必需品を取り扱うリテール業界の売上落込みを最小限に留またが、来年は緊急援助政策がなくなるために今年よりも難しくなるとAGR Consultores社のAna Paula Tozzi最高経営責任者は指摘している。
建材販売のQuero-Quero社は新規株式公開で22億レアルを調達、調達資金の64%は運転資金、残りは配送センター建設や投資を予定している。
薬局チェーンのOSORIO社やTAMOIOS社を擁するD1000社は、IPOで4億レアルを調達、調達資金の50%は負債返済、残りは新規薬局チェーンの拡大や運転資金に回す。
ブランドFarmaやAnimale を擁するGrupo Soma社は、IPOで16億1,000万レアルを調達、47%はブランド獲得への支払い、残り53%は負債返済、新規開店、テクノロジー分野に投資を予定している。
薬局チェーンのPague Menos社はIPOで7億4,700万レアルを調達、獲得資金の60%以上は薬局チェーン拡大、20%は負債軽減、残りは配送センター拡大を予定している。