ジャイール・ボルソナロ政権2年目の今年の連邦貯蓄金庫並びにブラジル銀行、社会経済開発銀行(BNDES)ではポートフォーリオ事業の資産売却に拍車がかかると予想されている。
今年上半期の連邦貯蓄金庫並びにブラジル銀行、社会経済開発銀行(BNDES)による資産売却総額は、年内の連邦政府による民営化による資産売却総額1,500億レアルの1/3以上に相当する600億レアルが見込まれている。
2019年の上記3公立銀行の資産売却総額は365億レアルに達したとSalim Matter民営化長官は説明、連邦政府傘下の公社や少数資本参加している民間企業を含めると624企業に達しているが、2020年以内に300公社以上の民営化や持ち株放出で1,500億レアルの臨時歳入を見込んでいる。
Salim Matter民営化長官は、ペトロブラス石油公社並びにブラジル銀行、連邦貯蓄金庫以外の公社は全て民営化の対象であり、ペトロブラス石油公社のグループ公社も民営化の対象と強調、非効率の典型で腐敗汚職の温床と指摘されている郵便公社も民営化対象となっているにも関わらず、年内の民営化は難しいと示唆している。
連邦貯蓄金庫は、ペトロブラス石油公社並びにブラジル銀行などの持ち株放出で150億レアルの資金を調達、今年は社会経済開発銀行(BNDES)の持株の放出を計画している。
また社会経済開発銀行(BNDES)は、年内の上下水道事業やインフラ整備事業、都市照明事業からの撤退で1,000億レアルの資金調達を予定、昨年末にはMarfrig社の持株放出で20億レアルを調達していた。
社会経済開発銀行(BNDES)は今年2月にブラジル及ぶ米国の株式市場で所有するペトロブラス石油公社の持株放出で235億レアルに相当する資金調達を予定、また年内にはパラナ電力公社(Copel)、鉄鋼メーカーのTupy社の持株放出を計画している。
昨年の社会経済開発銀行(BNDES)の投資管理会社であるBNDES出資会社(BNDESPar)では、ペトロブラスやヴァーレ社の持ち株放出で159億レアルの資金調達を行っていた。
ブラジル銀行はアルゼンチンのパタゴニア銀行の80.38%の株式を保有、農畜産セクターのKepler Weber社の17.5%の株式を保有、エジプトではAfrican Export-Import Bankの株式を保有しているが、早急な持株放出が予定されている。
労働者党(PT)が政権を担っていたルイス・イナシオ・ルーラ政権並びにジウマ・ロウセフ政権時に、与党政権に歩調を合わせる形で社会経済開発銀行(BNDES)は業界の有望企業に積極的に資本参加、企業の体質改善や海外進出を後押しして、ブラジル企業の世界的企業育成のために資本参加を積極的に行っていた経緯があった。
BNDES銀行はペトロブラス石油公社、世界3大鉱業メジャーのヴァーレ社、Oi社、CPFLエネルジア社、エレトロブラス社や成長の目覚ましいIT企業などに積極的に資本参加して、世界企業育成の一翼を担っていた経緯があった。(2020年1月18日付けエスタード紙)