2014年3月に発覚したペトロブラス石油公社関連のラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題発覚を発端に、また石油の国際コモディティ価格下落も追い打ちとなって、ペトロブラスの株価並びに時価総額は過去4年間に亘って低迷していた。
しかしペトロブラスでは、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題発覚後4年間に、社内の組織再構築、負債軽減のための資産売却、人員削減や痛みを伴うコストカットなどで信用回復に努め、また今年第1四半期の好調な決算発表並びに石油の国際コモディティ価格上昇、ドル為替の上昇も後押しして、5月から同社の時価総額は急上昇している。
昨日5月10日のペトロブラスの時価総額は、Ambev社の時価総額を4.0%上回る3,589億レアルに達し、2014年9月から約4年ぶりに時価総額ではブラジルトップ企業に返り咲いている。
今年第1四半期の決算発表後の僅か3日間だけで、ペトロブラスの時価総額は480億レアル上昇している。昨日10日のサンパウロ証券取引所(BM&FBovespa)と証債権取引決済・保管センター(Cetip)が合併して設立されたB3社での同社の優先株(PN)の出来高は、全体の27%を占める32億6,000万レアルに達していた。
ペトロブラスの今年初めから5月4日までの平均出来高は、B3全体の9.8%に相当する6億6,800万レアルであったが、石油の国際コモディティ価格の上昇並びに今年第1四半期の決算発表で、同社の株は国内外投資家の注目の的となっている。
昨日5月10日のB3上場企業の時価総額トップ5は、ペトロブラスが3,588億9,000万レアルでトップに返り咲き、2位はAmbev社の3,427億4,000万レアル、イタウー銀行2,991億2,000万レアル、Vale社2,716億2,000万レアル、ブラデスコ銀行は2,178億2,000万レアルで5位となっている。
石油の国際コモディティ価格の上昇に伴って、世界の石油・天然ガス関連企業では収益増加を記録、今年第1四半期のペトロブラスのEbitdaは79億2,500万ドル、シェル社146億2,500万ドル、エクソン・モービル社91億5,000万ドル、BP社85億2,500万ドル、Chevron社78億7,500万ドル、Total社のEbitdaは70億5,000万ドルを記録している。
一方各社の負債総額比較では、ペトロブラスの負債は815億ドルでトップ、2位はシェル社661億4,000万ドル、BP社400億ドル、エクソン・モービル社365億ドル、Chevron社332億ドル、Total社の負債総額は220億ドルとなっている。
エクソン・モービル社の1日当たりの石油生産は389万バレルとトップ、2位は384万バレルでシェル社、Chevron社は285万バレル、Total社は270万バレル、ペトロブラスは268万バレル、BP社は261万バレルを生産している。(2018年5月11日付けヴァロール紙)