カナダ資本ブルックフィールド・アセット・マネジメント社並びにStatoil 社、Total社、 Exxon社は、ペトロブラス石油公社傘下の天然ガスパイプライン事業(NTS)を42億3,000万ドルで買収したものの、ペトロブラスは、依然としてブラジル国内の石油・天然ガス市場では確固たる地位を保持している。
2018年のペトロブラスの投資総額は、プレソルト原油生産のためのFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)のプラットフォーム7基設置などの投資に、前年比30%増加の173億ドルを予定している。
ペトロブラスは2014年から石油の国際コモディティ価格下落並びにラヴァ・ジャット汚職問題に派生した諸問題解決のために、資産売却並びにコア事業に資本集中するためポートフォーリオ事業を中心とした資産売却を余儀なくされている。
ペトロブラスでは、2022年までに年間平均で29カ所の油田のボーリングを計画しているが、Exxon社は最後の石油・天然ガス入札で19鉱区を落札、今年からSergipe-Alagoas海盆の石油鉱区でのボーリング開始を予定している。
Shell社並びにStatoil社も昨年実施されたプレソルト原油生産向け鉱区を落札しており、ノルウエー資本Statoil社は、2019年からCarcara Norte鉱区でのボーリングを開始、2023年~2024年からの原油生産を予定している。
またShell社では、サントス海盆のスール・ガット・デ・マット鉱区でのボーリングを2019年から開始する。ペトロブラス石油公社の2006年に建設開始されたプレソルト鉱区で生産される天然ガス精製を目的としたリオ州リオ石油製油所コンビナート(Comperj)内の液化天然ガスプラント(UPGN)が今年中に開始予定となっている。
ペトロブラスは、中国資本Shandpong Kerui社とブラジル資本Metodo Potencial Engenharia社のジョイントベンチャー企業Kerui Metodo Construção e Montagem社と液化天然ガスプラント(UPGN)の完成に向けて交渉している。
このComperjコンビナート内の液化天然ガスプラント(UPGN)は、2015年から中断されていたが、残りの64%の建設工事が完成するまで6,000人の新規雇用に繋がる。
ペトロブラスは、石油・天然ガス採掘事業に資本集中するために、石油精製事業の60%の放出を検討しており、南部地域並びに北東部地域の石油製油所の売却を予定、国内のマーケットシェアを99%から75%に引き下げる。(2018年4月24日付けヴァロール紙)