連邦政府は経済リセッションから回復基調サイクルに突入して2018年のブラジルのGDP伸び率を前回予想の2.5%から3.0%に引き上げたにも関わらず、北東部地域を中心に旱魃の影響による火力発電所稼働によるコスト上昇が指摘されている。
鉱工業部門の大半の大企業は、電力エネルギーの安定供給のために電力会社と長期契約を結んでいる一方で、国内の電力エネルギーの15%を消費する中小企業にとって、来年は電力エネルギーコスト上昇で大きな影響を受けると予想されている。
ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、今年初め9カ月間の累計インフレ指数は1.78%に留まっている一方で、電力エネルギー料金は5.8%値上がりしている。
2016年の電力配電会社による電力エネルギー料金はインフレ指数6.29%に対して10.66%減少したが、2015年はインフレ指数10.67%に対して51%も値上げされていた経緯があった。
現在のブラジルの貯水ダムの中で貯水能力が1位のゴイアス州セーラ・デ・メーザ貯水ダムの水位は、貯水能力の僅か6.08%まで低下しており、乾季の終わる12月1日には、貯蓄能力がゼロに相当するデッドボリュームに達すると予想されている。
貯水能力が2位のバイーア州ソブラジーニョ市を流れるサンフランシスコ河に建設された巨大な水力発電用ダムであるソブラジーニョ貯水ダムの貯水率は、僅か2.66%と危機的な水準に達している。
またミナス州の総発電能力が1万7,300メガワットのフルナス電力公社(Furnas )の貯水ダムの貯水率は11.5%、ミナス州Tres Marias水力発電所の貯水ダムの貯水率は7.84%まで低下している。
今年第3四半期の鉱工業部門のセクター別電力消費比較では、鉱業セクターは全体の7.1%を消費、自動車セクター6.0%、食品セクター5.1%、金属店機械・装置セクター4.5%、紙・パルプセクター4.3%、繊維セクター並びにゴム・プラスディックセクターはそれぞれ3.7%を記録している。(2017年11月4日付けエスタード紙)