穀物生産ではブラジル最大のマット・グロッソ州のルッカス・ド・リオ・ヴェルデ市のFS Bioenergia社は、トウモロコシを原料としたエタノール生産を開始する。
FS Bioenergia社は、ブラジル資本Fiagril社と米国資本Summit Agricultural Groupのジョイントベンチャー企業で4億5,000万レアルを投資して設立、年間60万トンのトウモロコシから2億4,000万リットルのエタノールの生産を予定している。
マット・グロッソ州の年間のトウモロコシ生産は3,000万トン、FS Bioenergia社では、ルッカス・ド・リオ・ヴェルデ市に次いで同州のSinop市でもエタノール工場建設を予定している。
連邦政府はバイオ燃料の生産拡大のためのRenovaBioプログラムに対する公聴会をすでに開催。COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)での温暖化対策として、二酸化炭素排出削減の目標達成のためにもバイオ燃料の生産拡大を図る。
ブラジルのトウモロコシ生産は、今後6年~8年後に現在の2倍に相当する2億トンまで拡大するとDatagro社のプリニオ・ナスタリ社長は予想、2018/2019年のトウモロコシによるエタノール生産は、7億5,000万リットルに達すると予想している。
サンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)では、2017/2018年のサトウキビによるエタノール生産は247億リットルに達すると予想しており、長期保存が可能なトウモロコシによるエタノール生産の将来性が有望と見込まれている。
トウモロコシをハンマーミルなどで乾式製粉してから糖化/発酵/蒸留などの工程に入る方法で生産される燃料エタノール製造の副産物DDGSは、トウモロコシ蒸留粕と呼ばれ、栄養価の高い家畜用飼料として注目されている。(2017年8月6日付けエスタード紙)