2016年のペトロブラス石油公社は、最終四半期の純益が前年同期の369億レアルの赤字から一転して25億レアルの黒字を計上したにも関わらず、昨年の純益は148億レアルの赤字を計上している。
昨年のペトロブラス石油公社の148億レアルの赤字は、2015年の348億レアルの赤字、2014年の215億レアルの赤字に次いで3年連続で赤字を計上したにも関わらず、石油派生品の国際コモディティ価格上昇や為替変動、コスト削減などの要因で、過去2年間よりも赤字幅が減少している。
昨年のペトロブラスの負債総額は、ドル為替に対するレアル通貨の上昇に伴って前年比20%減少の3,141億2,000万レアルまで減少、ドル換算では4.0%減少の約964億ドルに留まっている。
昨年の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、どの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示すEBITDAに対するペトロブラスの純負債総額は、前年の5.11倍から3.54倍に減少、同社の2018年の目標である2.5倍に接近してきている。
同社の負債総額は、世界の石油・天然ガス業界の中で最大の負債総額を記録、またブラジル国内の金融機関の負債総額も上回っており、ブラジルの27州政府の負債総額の70%に匹敵するとペトロブラスのペドロ・パレンテ総裁は、負債軽減の必要性を強調している。
ペトロブラスの経営戦略として負債軽減や収益性向上を目標に、昨年は72億3,000万レアルに相当する自社資産を売却、特に最終四半期には48億レアルの自社資産売却を実施している。
またペトロブラスは、昨年人件費削減のために希望退職制度導入で3億9,700万レアルの支出を計上、また石油・天然ガス鉱区の権益権放出で16億レアルの資金調達を計上している。
2016年のペトロブラスの投資総額は前年比27%減少の553億レアルに留まり、2017年~2021年の投資5か年計画では745億ドルの投資予定、またこの5年間の自社資産売却による210億ドルの資金調達を見込んでいる。
昨年148億レアルの赤字を計上したペトロブラスは3年連続で赤字を計上してため、株主配当は3年連続で見合わせを余儀なくされており、過去3年間の赤字総額は712億5,000万レアルに達している。(2017年3月22日付けヴァロール紙)