今年初めの電力消費量は製造業部門が牽引して増加に転じており、経済リセッションからの回復サイクル入りの兆候が出てきているとブラジル電力取引市場(CCEE)の統計で判明している。
特に圧延鋼板や合金鉄生産部門での電力エネルギー消費が増加、今年1月の製造業部門の電力エネルギー消費は、前年同月比4.4%増加しているとコンサルタント会社Thymos Energia社のリカルド・サヴォイア取締役は説明している。
1月の製造業部門の電力エネルギー消費では、繊維生産セクターが前年同月比20.4%と大幅増加、自動車セクターも15.1%増加、ゴム・プラスティック原料セクターも8.1%増加している。
2017年1月の一般家庭の電力消費量は前年同月比1.20%増加、過去12カ月間では2.1%増加、前記同様に製造業部門は4.4%増加、マイナス1.70%、商業部門は0.30%増加、マイナス2.10%、産業向け長期契約電力消費はマイナス4.20%、マイナス3.4%、自由契約電力消費は25.60%増加、9.70%増加している。
昨年下半期からの豊富な降雨で水力発電所の貯水ダムの水位上昇に伴って、今年の南東部地域並びに中西部地域の電力エネルギー不足リスクはほとんどないと電力セクター監視委員会(CMSE)では予想している。
しかし北東部地域の水力発電所の貯水ダム水位は、旱魃の影響で憂慮される水位まで下がっており、全国エネルギー・システム組織化機構(ONS)では、サン・フランシスコ河水域のトレス・マリアス水力発電所並びにソブラジーニョ水力発電所、イタパリカ水力発電所の放水制限を指導している。(2017年3月9日付けヴァロール紙)