連邦警察の特別捜査「ラヴァ・ジャット作戦」汚職疑惑によるペトロブラス石油公社や大手ゼネコンの相次ぐ経営陣幹部の逮捕者続出による信用下落、ドル高による外債増加、ジウマ前政権要請による国内販売の燃料価格操作による赤字拡大などの要因で、ペトロブラスは自社資産売却による負債軽減の優先を余儀なくされている。
ペトロブラスの負債総額は石油・天然ガス開発業界では世界トップを維持しているにも関わらず、石油の国際コモディティ価格上昇やレアル通貨に対するドル安の為替、積極的な自社資産売却による負債軽減を積極的に行っている。
更に国際燃料価格に沿った透明性のあるガソリン価格設定による海外投資家の信頼回復、ペトロブラス石油公社の岩塩層下(プレソルト)原油開発での全ての鉱区開発向けの30%の資本参加義務からの解放などの要因で、最近の同社の株価は上昇を続けている。
昨年2月に格付け会社ムーディーズは、ペトロブラス石油公社の投資適格ランクを財務力が不十分で債務不履行の可能性があるとしてBaa3からBa2に2段階の格下げ、格下げされたまま続いていたが、金曜日に"B3" から "B2"に格上げ、また見通しも❝ネガティブ❞から❝安定的❞に引き上げている。
今年初めのペトロブラスの時価総額は世界の石油・天然ガス開発業界11位であったが、今年の株価は168%上昇した影響で現在は8位まで上昇、プレソルト原油地域の発見後の2008年5月の時価総額は業界3位に達していた。
ペトロブラスは、現在の格付け"B2"を2018年には投資適格ランクまで引き上げる計画をしており、また同社のEbitdaに対する負債比率を現在の5倍から2.5倍までの圧縮を目指している。
2007年のペトロブラスの負債総額252億レアルは現在3,324億レアルまで増加、一方時価総額は4,299億レアルから2,374億レアルまで減少、売り上げは1,706億レアルから1,416億レアルまで減少、しかし運転資金は131億レアルから654億レアルに上昇している。
ペトロブラスの今後2年半以内に償還期間が到達する負債は273億ドルに達しているために、早急な自社資産売却による資金調達に迫られている。(2016年10月24日付けエスタード紙)