今月5日に下院議会でのプレソルト原油開発法案改正で、ペトロブラス石油公社の岩塩層下(プレソルト)原油開発では、全ての鉱区開発向けの30%の資本参加義務からの解放によって、開発鉱区選択の自由並びに国内外企業の資本参加規制撤廃が進展すると予想されている。
ペトロブラスに対するプレソルト鉱区の自由選択を可能とする法案改正で、同社にとって特に有望な鉱区に集中して資本投入ができるとペトロブラス石油公社のペドロ・パレンテス新総裁は歓迎している。
またブラジル石油・天然ガス、バイオ燃料協会(IBP)のジョージ・カマルゴ会長は、今回のプレソルト原油開発法案改正で2018年から1,000億ドルに達する投資流入が期待できると見込んでいる。
岩塩層下(プレソルト)原油の埋蔵海域は、エスピリット・サント州からサンタ・カタリーナ州に亘る800キロメートルで岩塩層下2,000メートルまでの原油埋蔵の可能性があり、海面下5,000メートルから7,000メートルの深海原油開発のために採掘コストが非常に高い難点がある。
ルイス・イナシオ・ルーラ政権時に発見されたプレソルト油田は、ブラジルの国家資源とみなされ、連邦政府はペトロブラスに対して同油田全域を管轄する唯一の企業として、全ての油井開発に最低30%の資本参加を義務付けて独占させたために、外資系企業によるプレソルト油井開発への資本参加を大幅に制限していた。
しかしペトロブラスは独占的なプレソルト油井開発に対する資金力や原油開発向け機材・人材も持ち合わせいないために、プレソルト油井開発進展の大きな足枷になっていた。
この改正法案は現在、外相就任で上院議員を休職しているジョゼ・セーラ氏(民主社会党・PSDB)によって提出されていたが、ペトロブラスのペドロ・パレンテス新総裁の経営陣からも支持を受けている。
連邦政府は2017年に第14回石油・天然ガス入札として2回目となるプレソルト石油鉱区の入札実施を予定、今回の改正案の承認で国内外の石油開発企業が挙って入札参加すると予想されており、プレソルト開発に弾みがつく可能性がある。
2010年にブラジルで成立したプレソルト開発に関する法令12351/10では、プレソルトの新規鉱区およびブラジルエネルギー政策評議会(CNPE)が戦略的地域と定めた地域については、契約形態をコンセッション契約から生産分与契約(PS契約)に変更、これら全ての鉱区でペトロブラスが権益の最低30%を取得して、メインオペレーターになると定めて独占権を与えていた経緯があった。(2016年10月7日付けエスタード紙)