ペトロブラス石油公社は、傘下の天然ガスパイプライン事業(NTS)の株式の90%をカナダ資本ブルックフィールド社が率いる投資家連合に対して、52億ドル相当で売却することで合意している。
投資家連合の構成は、ブルックフィールド社を筆頭にブリティッシュコロンビア州の年金基金、中国の政府系投資ファンドの中国投資有限責任公司(CIC)、シンガポール政府投資公社(GIC)などで構成されている。
今回のブルックフィールド社に対するNTS社の売却額52億ドルの達成で、ペトロブラスの2015年~2016年度自社売却計画151億ドルの2/3の達成が見込まれている。
ペトロブラスでは、昨年からすでに自社資産の45億9,000万ドルの売却に成功、すでに7億3,000万ドルは臨時収入として計上されており、2015年にはペトロブラス社グループ企業ガスペトロ社の49%株式売却による5億4,000万ドルを発表している。
またペトロブラス・アルゼンチーナ社売却による8億9,200万ドル、ペトロブラス・チリ社売却による4億6,400万ドル、サントス海盆に位置するカルカラ鉱区と呼ばれるBM-S-8鉱区権益をノルウエー資本Staroil社に売却している。
現在ブラジル国内では天然ガス輸送向けパイプライン事業は、Nova Transportadora do Sudeste(NTS)社、Nova Transportadora do Nordeste(NTN)、Transportadora Brasileira Gasoduto Bolivia-Brasil(TBG)の3社で独占して寡占状態となっているが、ブルックフィールド社によるNTS社の買収で民営化が進むと予想されている。(2016年9月8日付けヴァロール紙)