第2四半期のペトロブラス石油公社の純益は、レアル通貨に対するドル安の為替並びに石油の国際コモディティ価格上昇が牽引して3億7,000万レアルの黒字を計上したにも関わらず、大半の金融市場関係者の予想20億レアルを大幅に下回っている。
第2四半期のペトロブラス石油公社の純益が3億7,000万レアルに留まった要因として、人件費削減のための希望退職制度(PDV)による12億1,000万レアルの支出並びにリオ市近郊で建設中のComperj製油所の会計処理のための11億2,400万レアルの損益計上、原油・天然ガス開発中の採掘鉱区の連邦政府への返還が主因となっている。
しかし第2四半期のペトロブラス石油公社の純益黒字に寄与した要因として、レアル通貨に対するドル安の為替で負債軽減に結び付きまた石油の国際コモディティ価格の上昇が収益増加につながった。
第2四半期のペトロブラスの人件費削減のための希望退職制度(PDV)への応募は4,000人に達したが、8月中には5,000人に達すると予想、最終的には6,000人が希望退職制度(PDV)を利用すると予想されている。
またペトロブラスは、会計処理のための11億2,400万レアルの損益計上したComperj製油所にすでに135億ドルの投資を行っているにも関わらず、未だに完成していない。第2四半期の原油開発費はすでに16億4,000万ドルを計上している。
連邦政府へ返還する原油・天然ガス開発中の採掘鉱区の投資コストは前四半期比で43%と大幅に上昇、また国際コモディティ価格の上昇率は採算コストに見合うほど上昇していない。
第2四半期のレアル通貨に対するドル安の為替で、大半がドル為替であるペトロブラスの負債総額は15%減少の3,323億9,000万レアルまで減少、また国内消費向けガソリン輸入費の軽減並びに原油輸出には追い風となっている。
ペトロブラスの第2四半期の1日当たりの原油生産は、カンポス海盆のプレソルトのルーラ鉱区への原油開発向けプラットフォーム投入で8.0%増加して280万バレルに達している。
ペトロブラスの2015~2016年の自社資産売却計画では151億ドルを調達予定であるが、計画を遂行するためには今年末までの5か月間には105億ドルの資産売却に迫られている。
ペトロブラス石油公社は、今年7月にサントス海盆に位置するカルカラ鉱区と呼ばれるBM-S-8鉱区の66%の権益をノルウエー資本Staroil社に売却、2015~2016年の資産売却予定151億ドルのうちの25億ドルの資産調達、ペドロ・パレンテス新総裁就任後の初めての資産売却となっている。
昨年12月から今年第2四半期までの資産売却として総額20億ドルの資産を売却、そのうちガスペトロ社の持ち株の一部売却で7億ドルを調達、ペトロブラス・アルゼンチーナ社およびペトロブラス・チリ社売却で13億ドルを調達している。
ペトロブラス社ではNova Transportadora do Sudeste(NTS)社並びに BR Distribuidora社の一部株式の売却、Liquigas社の100%の株式放出、 Companhia Integrada Textil de Pernambuco(Citepe)社、Petroquimica Suape社の売却を予定している。(2016年8月12日付けエスタード紙)