台湾資本Foxconn社がサンパウロ州ジュンジャイ市でアップル社のタブレット端末iPadの生産を7月から開始予定、同社の強い要請で連邦政府はタブレット端末向け基本プロセス(PPB)の減税並びに暫定令による社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の優遇税制適用で36%の減税となる。
PPBは31%、PIS/ Cofinsは5%の減税に相当、また各州で別々に税率が異なる商品流通サービス税(ICMS)の減税で、更に販売価格が低下すると予想されている。
サンパウロ州ではICMS税を18%から7%にカット、さらに輸入税(II)の減税も見込まれており、タブレット端末向けのPIS/Cofins減税の暫定令はジウマ・ロウセフ大統領のサインを待つだけとなっている。
今回の暫定令の恩恵を受けるのはFoxconn社以外にも、最近、タブレット端末市場参入 を発表したセンプ東芝は「マイパット」を投入すると市場関係者は見込んでおり、ブラジル国内でのマーケットシェア争いが熾烈になると予想、消費者にとっては減税やコンペチタ-の増加で販売価格が低下するために恩恵を受ける。
アロイジオ・メルカダンテ科学技術相は海外からのブラジル国内でのコンピューター関連投資を促すために、コンピューター法を変更して、PC関連パーツやソフトウエア開発向けにも減税を予定している。
現在のコンピューター法は企業の売上の開発研究部門への投資比率によって工業製品税(IPI)減税を行っていたために、ハードウエア関連企業のみが恩恵を受けていたが、ソフトウエア開発で付加価値の高い商品輸出やサービスを促すために、半導体メーカーやソフトウエア開発企業にも適用する。
2004年にブラジル国内でのコンピューター生産増加並びに不正輸入品や海賊版ソフト減少を目的にグッド法(Lei do Bem)を制定、その当時のブラジル国内のコンピューター販売は400万台、そのうち73%は脱税の密輸部品などを組み合わせたコンピューターであった。
しかし優遇減税措置のグッド法を導入後は正規組立コンピューター価格が大幅に減少、昨年のコンピューター販売1,400万台のうちで脱税した不正規コンピューターは30%まで減少している。
ブラジルのコンピューター関連マーケット規模は米国、中国、日本に次いで世界4位まで上昇、今後もハードやソフト関連の海外企業のブラジル進出に伴って、ランクを上げる可能性がでてきている。(2011年5月18日付けエスタード紙)