3月の日伯法律委員会(村上 廣高委員長)は、2015年3月19日午後4時から6時まで48人が参加して開催、司会は篠原一宇副委員長並びに西口 アヤ副委員長が務め、初めにPinheiro Neto Advogadosのジオゴ・カウダス弁護士は、連邦政府の財務の健全化と課税に関する変更点‐2015年の展望について、ジョアキン・レヴィ財務相は、今年の財政プライマリー収支の目標黒字であるGDP比1.2%に相当する663億レアルを達成のための2015年の財務健全化に向けた税制変更として、免税としたガソリンに対する経済支配介入分担金(Cide)の課税再開やクレジット向けの金融取引税(IOF)、社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の引き上げ、工業製品税(IPI)の減税政策の変更や歳入増加について説明した。
Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogadosのリーナ・ピメンテルパートナー並びにフェルナンダ・ステファネロコーディネーターは、リバースロジスティック対象品目と固体廃棄物政策に関わる他の義務事項について、連邦政府は2010年8月に「国家固形廃棄物管理政策法」を策定、同12月に同法の政令を発布、同法において、「固形廃棄物の発生抑制・削減・再利用・リサイクル・処理と、残渣の環境的に適正な最終処分」が明示され、連邦政府・州政府・市町村がそれぞれ廃棄物管理計画の策定を進めることとなり、また、製品のライフサイクルに沿った適正な処分に向けた関係者の責任の分担を柱とした廃棄物の総合的管理を目指しているにも関わらず、現在までリサイクルや環境上適切な最終処分を考慮した製品の循環システム、リバースロジスティクス(RL)は、民間セクターに実施の義務とコスト負担が課されるのみで、政府側のRL実施を支援する施策が十分に検討されていないために、サンパウロ州では州政府レベルで先駆的な取組みが行われ、電気・電子機器廃棄物に係る州法”Technical Waste Law”を2009年7月に連邦政府や他州に先駆けて施行、通信会社と同州との間でRL構築に係る確約書を締結、民間セクターが携帯電話のRLの構築を開始、今後はノートパソコンや白物家電についてもRL構築に向けて検討していることなどを説明した。
Morad Advocacia Empresarial のエドアルド・ナッシメント弁護士並びにアントニオ・カルロス・モラッデパートナーは、コンプライアンスと課税制度について、コンプライアンスは「法令遵守」であり、企業がコンプライアンスを重視した経営を行っていると宣言する場合には法律や条例を守るだけでなく、その背景にある法の精神や社会良識といった社会規範全般、更には社内規則や業務マニュアルなども含めた幅広い規則を遵守していく姿勢を示さなければならない。仮に法律に違反していなくても、法の抜け穴をかいくぐるような行動をとれば非難が殺到して法令違反を犯したのと変わらない影響を受けることが予想でき、また法律とは無関係な社内規則に違反しても、その行為が企業収益に悪影響を与えるものであれば、株主代表訴訟などで損害賠 償を求められる可能性があり、コンプライアンスをリスクマネジメントの一種ととらえるならば法令に限定することなく、より広範囲な規範に対応しなければならないと説明した。
Mattos Muriel Kestener Advogados のパウロ・シグアデパートナーが課税に関する議論、司法機関から行政レベルへの移管について、現在の最高裁判所の構成メンバーはリカルド・レヴァンドスキー判事並びにカルメン・ルーシア判事、セルソ・デ・メロ判事、マルコ・アウレリオ判事、ジウマール・メンデス判事などの高齢者が大半を占めており、ジウマ第2次政権内に70歳でリタイヤする判事はセルソ・デ・メロ判事が2015年、マルコ・アウレリオ判事は2016年、リカルド・レヴァンドスキー判事並びにテオリ・ザヴァスキー判事、ローザ・ヴェーベル判事は2018年となっており、また商品流通サービス税(ICMS)改革、社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の改革など早急な解決を余儀なくされている問題が山積みしているにも関わらず、最高裁判所の人事メンバー交代の遅れが憂慮されていることなどを説明した。
Pinheiro Neto Advogadosのジオゴ・カウダス弁護士 連邦政府の財務の健全化と課税に関する変更点‐2015年の展望
Mattos Filho, Veiga Filho, Marrey Jr. e Quiroga Advogadosのリーナ・ピメンテルパートナー並びにフェルナンダ・ステファネロコーディネーター リバースロジスティック対象品目と固体廃棄物政 策に関わる他の義務事項
Morad Advocacia Empresarial のエドアルド・ナッシメント弁護士並びにアントニオ・カルロス・モラッデパートナー コンプライアンスと課税制度
Mattos Muriel Kestener Advogados のパウロ・シグアデパートナーが課税に関する議論、司法機関から行政レベルへの移管