海外邦人安全対策連絡協議会は、2014年11月12日午後2時から3時30分まで在サンパウロ総領事館内会議室に18人が参加して開催、文民警察の殺人人身保護局誘拐対策課のラファエル・ロジ上級捜査官を講師に迎えて「短時間誘拐」について講演した。
ラファエル・ロジ上級捜査官はビデオやプレゼンテーション資料を使用して2004年から2006年の短時間誘拐は家庭内に現金を保管して強盗などの被害届を余り行わない日系人の被害が多かったが、現在は10件の短時間誘拐のうち8件は解決しており、短時間誘拐は1990年代に左翼の政治犯が一般犯罪者と同じ刑務所に保留されるようになって拡大、2001年には年間400件の短時間誘拐が発生していたが、現在ではATMからの引出金額の制限並びに引出時間の短縮、暗証番号プラス生体認証(指静脈認証)などの導入で非常に少なくなっていると説明した。
短時間誘拐を防止するには住宅やアパートの出入や勤務先の出入時、信号待ち、車中での携帯使用時などに特に注意が必要であり、短時間誘拐にあって監禁された時の金銭の交渉は家族が行い、文民警察は携帯による交渉中に監禁場所を特定するが、監禁場所が確認できないときは被害者の生命を守るために身代金の支払いを余儀なくされることなどを説明した。
身代金の要求に対して要求額の2%から3%での支払い交渉が大半で大半の短時間誘拐では大半は支払い後3日以内に被害者を解放、被害者の90.8%は無傷、8.0%は軽傷、0.7%は負傷、2001年から2014年の短時間誘拐では1500人の犯罪者を逮捕したことなどを説明、また質疑応答では参加者から余分な現金の所持の有効性、交番制度では交番の場所の設定、地域住民による寄付による交番の設立、犯罪抑止効果、ショッピングやパーキングでの被害状況、今後の犯罪傾向などの質問がされた。
商工会議所からは安全対策チームリーダーの河崎氏(三井住友保険)、同チームのセミナー担当の米沢氏(南米安田保険)、平田事務局長、大角編集担当が参加した。
左は講師の文民警察の殺人人身保護局誘拐対策課のラファエル・ロジ上級捜査官